自作キーボード完成までの道2?

 自作キーボードを一回完成させてこれでエンドゲームするはずでしたが、1ヶ月ほど使ってみると結局不満が出てきて一から作り直しています。

自作キーボード完成への道のり

不満点は主に以下になります。

1.テントはいらなかった

 キーボード中央を持ち上げるテントのような形のケースにしたのですが、1ヶ月ほど使った後ケースから外してみると打鍵感が圧倒的に改善しました。重力の方向とボタンの方向がずれるとここまで悪化するとは。テントのおかげで小指周りは余裕が出来て楽になりましたが、割に合わないので普通のキーボードの方がよかったです。テントをするときは普通のキーボードを横に傾けどうなるかをよく実験するとよいです。

2. 打鍵感が愛せない

 Realforceに少しでも近い打鍵感にするべく頑張ってましたが、やはりメカニカルはメカニカルで、realforceの打鍵感を求める限り別物になってしまいます。メンブレンの感触ならまだ妥協できるのですが、自分にはメカニカルは合いませんでした。幸いこちらで便利なモジュールを公開しており、静電容量無接点方式のキーボードも案外楽に自作出来るめどが立ちました。

https://booth.pm/ja/items/2710697

こちらが開発中のkicadファイルです。動作テストはしていないのであくまでサンプルぐらいに思ってください。本当は完成品を公開するべきですが、もうモチベーション枯渇で完成しない気がするので

https://dl.dropboxusercontent.com/s/zfs2irgtu7zvq1a/aka3%20v3Bec_E.zip

3. 手が開きすぎて運指がしづらい

 ホームポジションを楽にするため、だんだん親指が下がって手のひらを開く形になっていました。これでは肝心のキー入力がしづらいので親指を上げていくと、手が丸まり中指と薬指のキーが遠くなってきたので下げると親指が0.125u下がっているだけのほぼlily58になりました。独自配列開発を頑張る前に遠回りに思えても既存のキーボードをよく研究するべきですね。

4. 分割キーボードは調整が大変

ちょっと机を動かすと位置を再調整しないといけないため面倒です。特にカラムスタッガードは指とキーをぴったり合わせるように出来ているので融通が効きにくいです。分割のメリットは微調整が効くことですが、ベストな位置関係が決まったら一体型のケースに入れた方がよさげです。

5. 中央の列を増やしすぎて左右を近づけられない

自分の姿勢ですと通常のキーボードから0.5uも広げれば十分でそれ以上広げても肩に力入るだけでした。

ここでそもそもカラムスタッガードではなくオーソリニアやロウスタッガードの方がよかったのではないかとちょっと配列について再検討してみました。

理想の配列とは何かを考えるとすべてを成立させるのはかなり難しいですが次の項目が基準になります。

使用頻度の高いキーが押しやすい
指の移動量が少なくかつ自然
ホームポジションが楽
左右対称

 まず、シンプルなオーソリニアンについて考えます。頻度を考えるとTキーがやや遠いです。最密構造なので平均的な指の移動量は少ないはずですが、試しに使ってみた限りでは通常のキー配置とそれほど違いを感じませんでした。ホームポジションは人差し指と小指をキーの端に置き、対角になるよう配置するようにすればそんなに指に力を入れなくてよいです。

 次にロウスタッガードについて考えます。使用頻度の多いキーが近くにあり、移動量も悪くないです。ホームポジションもオーソリニア同様楽に出来ます。通常の配列で単純に分割すれば会社のキーボードを使うときでも違和感なく移行できてます。欠点は左右非対称であることでしょう。気を付けないと体が歪んでいきます。
 異形ロウスタッガードならどうでしょう。tradstone48は左右対称でJIS配列さえ捨ててしまえば指の移動量も少なくかなり理想に近い配列ですが、JIS配列では[がかなり遠くなります。物理配列の移行は割とすぐに慣れますが、文字キー論理キーの配列移行はかなり困難かつ、会社や出先のキーボードが使えなくなるだろうことを考えるとそこは避けたいです。他の異形ロウスタッガードも同様に使用頻度の高いキーがどれかは遠くなってしまいます。JIS配列でロウスタッガードにするなら通常のロウスタッガードがよさげです。

https://marksard.github.io/2018/12/17/about-treadstone48/

 カラムスタッガードについて考えます。カラムスタッガードの代表格であるcorne cherryの配列を基準に考えますとTが少し遠くに感じますが、上手い具合にホームポジションから使用頻度の高いキーとの距離をほぼ維持または短縮できています。指の移動量はNOのように反対の方向にあるキーが続くときは僅かに増えたように感じますが、問題ない程度です。どうも小指から中指まではキーへの収まりが少しよくなるぐらいで運指時はオーソリニアと殆ど違いがない感触です。運指時にオーソリニアとカラムスタッガードの差を感じやすいのはT, Y列をどうずらすかの部分ぐらいな気がします。ホームポジションは実際楽ですが、他の配列でも十分楽に出来るので、そこまで差はないです。
 corne cherryよりさらにずれが大きいカラムスタッガードになってくると密度が薄く、noのような文字が打ちづらく感じるのでカラムスタッガードを選ぶならcorne cherry配列になります。このぐらいのズレまでならオーソリニアとそれほど変わらないということなのでしょう。

 うーん、あまり決定的な差はありませんね。使用頻度の高いキーが近く、指の移動量が少ないということであればJIS配列が通常のロウスタッガードとセットで作られている物なので、やはり通常のロウスタッガードがベストに思われます。物理配列を変えるなら論理配列も変えないと真価は発揮出来ないでしょうが、論理配列を変えるのは避けたいです。となると素直に通常のロウスタッガードを分割するの妥当か…左右対称でさえあればなぁ。手の間隔の問題だけならば左右の手の間隔は机の高さに比例するので、机を下げられれば分割する必要もなくなるのでキーボード自作する必要がなくなり一番楽な結論でもあります。あれ、自作する必要なくなってしまった。

 分割キーボードを求めている方は分割キーボードの前にキーボードスライダーを試した方が幸せになれるかもしれません。

 論理配列を無視するのであれば、カラムスタッガードかオーソリニアンの方が物理配列としては筋がよく思われます。カラムスタッガード、もといcorne cherry配列とオーソリニアとの差は余りなくオーソリニアでT,Y列のみcorne cherry同様0.125u下げれば運指の感覚はほぼ一致する気がするので今度試してみたいです。カラムスタッガードは指に合わせてキーをズラしているので、使用出来る姿勢は限定されますが、使う環境が限られているので自作して自分で使う分にはここは問題にならなそうです。そうなると2つの配列は横が一列並んでいるためホームポジションの感覚が通常のロウスタッガードと同じオーソリニアか、キーへの座りのよいカラムスタッガードかが選ぶ基準になるかな。

 ここ一年空いた時間はずっとキーボードのコト考えているし、集計する気も起きない開発費を費やしている(まだ50万は超えてないと思いたいこのまま突き進むと時間の問題に思える)のでコンコルド効果で開発は続けているのですが、realforceの使い方に気をつけるようになったことで冷静に考えると自作するメリットが余りなくなってきているのでもうモチベーションが尽きそうです。